適切なリフォームの時期はいつ？

2025年4月17日

コラム

皆様こんにちは。突然ですが、戸建て住宅のリフォームに適切なタイミング、ご存知ですか？
「築１５年以上だけど、特に問題はないし自分の家は大丈夫だろう」と思っていても、建物や設備には寿命があります。実は目に見えないところで劣化が進んでいる…という場合もあるかもしれません。

今回のコラムでは築年数別、部位別に適切なリフォームのタイミングや、セルフチェックの方法をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

木造住宅の一般的な耐用年数

日本の木造住宅の耐用年数はおよそ20年とされています。しかし、この数字は固定資産税の計算に用いられる「法定耐用年数」であり、正確な建物の寿命ではありません。

では、なぜ20年とされているのでしょうか。その理由の一つは、昔の木造住宅は建築技術や耐震基準が現代ほど発達しておらず、20年～30年で建て替えになる場合が多かったからです。しかし、現在の木造住宅の建築技術は向上しており、より長く住み続けることが可能になります。

適切なメンテナンスで寿命を延ばせる

実際に、100年以上前に建てられた古民家が今も多く残っているように、適切にメンテナンスを続けることで長く住み続けることができます。特に、外壁や屋根の補修、水回りの点検、耐震補強を定期的に行うことで劣化を防ぎ、長く安心して暮らせる住まいを維持できます。

なぜメンテナンス・リフォームが重要なのか？

住宅の劣化は避けられない

定期点検は本当に必要なの？と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、どんな住宅でも経年劣化を避けることはできません。特に築15～30年の住宅では外壁のひび割れ、屋根の傷みなどが少しずつ進行し、放置すると大規模な修繕が必要になる場合があります。

早めのメンテナンスで大規模リフォームを防ぐ

住宅の不具合は、小さなうちに修理することで費用を最小限に抑えることができますが、劣化が進んでからでは高額な工事が必要になってしまう場合もあります。

早めのメンテナンスには工事費用を抑えること以外にもメリットがあります。将来的に売却や賃貸にする場合、適切にメンテナンスされた住宅は評価額が高くなる傾向があります。特に、「外壁や屋根の定期的な塗装」「水回り設備の交換」「耐震補強」「断熱リフォーム」が行われている住宅はすぐに住める家として買い手に安心感を与えます。結果的に売却価格の向上に繋がります。

家の状態をセルフチェックしよう

リフォームを検討し始めたら、まずは家の状態をチェックしましょう。見逃してはいけない劣化のポイント(屋根・外壁・水回り)をご紹介します。

【屋根】

雨漏りがないか
屋根材の変色・錆・割れ
雨樋の詰まり

【外壁】

ひび割れ、塗装の剥がれ
触ると白い粉がつく
→手で触ったときに白い粉がつくことを「チョーキング」といい、樹脂が劣化している状態です。放置すると、カビや苔の原因となります。

【水回り】

配管の詰まり
カビの発生

続いて、築年数ごとにチェックすべきポイント、おすすめのリフォームを解説します。

５～10年：シロアリ対策用の塗料は５年ほどで効力を失うものが多いです。定期的に専門業者に床下の点検も兼ねてチェックしてもらえば繁殖を防ぐことができます。
10～15年：使用頻度の高い水回り設備に不具合が出始めます。
15～20年：水回りの配管は築15年を過ぎたら点検を行い、必要に応じて交換・補修を検討しましょう。築20年の中古物件を購入する場合は入居前に設備を一新するのがおすすめです。また、屋根の劣化が進んでいる場合もあるため、雨漏りがないか日頃からチェックしましょう。
20～30年：築20年以上になると部分的なリフォームでは改善しきれず、大規模リフォームの検討が必要になるタイミングです。また、ライフスタイルの変化に合わせ、間取り変更を伴うリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。

部位ごとのリフォームの時期

老朽化するスピードは部位によって違うため、それぞれの部位ごとに適切なタイミングでリフォームを行うことが大切です。

キッチン：15～20年が目安。換気扇やコンロは10年を目安にメンテナンスを行い、問題がある場合は新しいものに交換しましょう。
浴室：15～20年が目安。カビが取れなくなってきたらリフォームのサインです。
トイレ：10～20年が目安。ウォシュレットの故障、便器の黄ばみが取れないなどの不具合が出てきます。最新の節水型トイレに交換することで、水道料金の節約に繋がります。
洗面所：10～15年が目安。洗面所のリフォームは、設備を新しくするだけでなく、必要な場所に使いやすい収納をプラスすることで、日々の家事ストレスを軽減することができます。
屋根：10年で塗装、20年で葺き替えが目安です。
外壁：10年を目安に塗装を行いましょう。

水回り設備は使用頻度が高く、水を使うため住宅の中で最も老朽化が進みやすい部分です。見た目に問題がなくても、15年以上経過すると性能が落ち、省エネ効果も低下していきます。最新の設備機器の性能は大きく進化していますので、交換を検討してみてはいかがでしょうか。ただ新しくするだけでなく、「快適で経済的な住まい」へアップデートするチャンスです。
また、雨風や紫外線にさらされる屋根・外壁などの外回りは、少しずつダメージを受けています。そのため、気がつかないうちに劣化が進み、放置すると雨漏りや建物の寿命を縮める原因になることもあります。大切な住まいを守るためには定期的なメンテナンスが欠かせません。
しかし、近年では、「瓦が一部剥がれている」といい強引な勧誘や必要のない工事を勧める悪質な業者も見受けられます。工事を検討される際には、実績があり信頼できる地元に根ざした会社へ相談してください。

リフォームに最適な季節

リフォームを検討する際に見落としがちなのが「工事をするのに最適な季節」です。季節ごとの特徴を知っているとスムーズにリフォームを進めることができます。

春：1年の中でも人気のシーズン。
天気が安定しているため、全てのリフォームに適しています。
夏：工期の短縮が期待できる
日照時間が長く、屋根や外壁塗装がスムーズに進みやすい時期です。ただし、梅雨の時期は屋根、外壁、外構などの工事は避けた方が良いでしょう。屋内の設備工事などは天候に影響されないので可能です。
秋：気候が安定し、リフォームに最適。
春同様に天気が安定しているため全ての工事に適しています。
冬：屋内のリフォームにおすすめ。
日照時間が短いため、外回りの工事はおすすめできません。また、塗装工事は気温が低すぎると、硬化に時間がかかる場合があります。設備の入れ替えや床の張り替えなど屋内のリフォームを考えている方には良いタイミングです。

無理のない資金計画を

リフォームは工事の規模によって費用も大きく変わるため、「全てを一度に直すのは難しい…」と感じている方も多いかもしれません。そんなときは優先度の高い部位から始めるのも良いと思います。

例えば、窓の断熱改修は工期も短く、効果をすぐに実感できます。窓の断熱性能を高めることで、夏の暑さや寒さを和らげ、冷暖房効率をアップさせることができるため、光熱費の削減にもつながります。さらに現在(2025年4月時点)では、窓の断熱改修に対する補助金制度も充実しています。この機会にぜひ活用してお得にリフォームを進めましょう。